
ダイヤモンドは永遠の輝き
90年代に流行った、デビアスのCM覚えていますか…?
このキャッチフレーズとCMすごく記憶に残っています
そんな永遠の輝きを放つダイヤモンドに自分がなるってどういうこと?
今回は『ダイヤモンド葬』について掘り下げてみます
ダイヤモンド葬とは
故人の遺骨から人工的にダイヤモンドをつくり、形見として遺族の手元に置き供養する方法です

私の骨がダイヤモンドになるの?どうやって?
遺骨からダイヤモンドが出来る仕組み
天然のダイヤモンドは、炭素が地中の奥深くの極度な高温高圧の環境下にさらされて生まれます
自然界では、生成に要する時間は10億年〜33億年と言われています
いっぽう遺骨ダイヤモンドは、遺骨からダイヤモンドのもとになる炭素を抽出し人工的に作り上げます
人工的に作成されたものですが、その輝き、硬度は天然のダイヤモンドに劣りません
必要な遺骨の量
必要な遺骨の量は最低でも200g
遺骨ダイヤモンドを作成する会社によっては400g以上としているところもあります
遺骨だけでなく、遺灰や遺髪も組み合わせることも可能です

400gは、成人男性の遺骨の1/4〜1/5に相当するよ
万が一、遺骨の量が足りない場合でも、遺骨以外の思い出の品(髪の毛、手紙、お気に入りの服、お気に入りの本など)を足して作ることが可能です(天然素材の可燃物に限る)
遺骨ダイヤモンドをつくる過程
- STEP1遺骨の受け取り
取り違え、混入を防ぐためあらかじめ決めてある管理番号を添付
- STEP2分析・検査
遺骨に含まれている炭素量、成分の検査
- STEP3炭素抽出
遺骨に含まれる炭素を抽出
- STEP4黒鉛への変換
- STEP5ダイヤモンド抽出
高温高圧法による合成ダイヤモンドの生成
- STEP6カット・研磨
- STEP7管理番号刻印、品質検査、保証書発行
依頼ごとに付与される管理番号をダイヤモンドに刻印、同じ番号の遺骨から抽出した炭素のみで作成されたものである旨の保証書の発行
徹底的な管理をされ、公証人による公正証書も作成されています
工場見学を実施していたり、製造過程をウェブ上で公開しているところもあります
出来るまでの期間
申し込みから出来上がりまでは約6カ月です
遺骨ダイヤモンドの生成は日本ではできず、スイスやアメリカの製作会社に送ります
出来上がったダイヤモンドが日本に戻ってきた後、ジュエリー加工を希望する場合はプラスで時間がかかります(ジュエリー加工は、会社によっては日本国内でのみ)

航空機の事故など万が一を考えて、遺骨は二回に分けて送る会社もあるのだ

時間はかかるけれど、安心な取り組みだね
価格
価格は30万円台から400万円まで幅広く、ダイヤモンドの大きさで変わってきます

1カラットは
直径約6.4ミリ
重さは0.2グラム

0.2グラム?思ったより軽い!
スイスのアルゴダンザ社のものでは
0.25カラットで64万円
0.5カラットで123万円
1カラットで273万円ほど
参考に、0.255カラットはこのくらいの大きさです

支払いは申し込み時に半分、残金はダイヤモンドが手元に届いたときに払います
価格は
- カラット(大きさ)
- カット
- デザイン
によって変わります
カット・研磨の工程を行わず、原石のまま受け取ることもできます
原石で受け取る場合の製作費用は、カット・研磨したダイヤモンドより1〜2割安くなります

原石の特徴は、少し角ばっていたり、細長かったり、表面に荒い磨き跡がついている事もあるよ

世界で一つだけの価値だね
出来上がったダイヤモンドは遺骨に含まれる微量元素で色が決まります
青色や無色透明、薄い黄色など何色に出来上がるかわからないところも楽しみですね
取り扱っている会社
ライフジェム
2002年に世界ではじめて故人の遺骨からダイアモンドを作り出したアメリカの会社
米国で特許を取得し、約10年の間に5000件以上の実績があります
アルゴダンザ
スイスを本拠地に持つ遺骨ダイヤモンド専門会社。2004年設立
スイス工場は見学自由で、透明性の高いサービスを目指している(ウェブ上見学ツアーもあり)
ロニテ
スイスの会社。最先端の機器を使用し医療機関と同様の制度をほこる
ダイヤモンド葬が人気の理由
共に生きている感覚
ダイヤモンド葬を選ぶ理由は
などがあります
生前から自分はダイヤモンドになりたいと家族に伝えておく人も増えているそう
ダイヤモンドは存在する物質の中で一番硬いと言われていますが、合成ダイヤモンドも丈夫で半永久的にその輝きを失うことはありません

私もダイヤのネックレスになって娘たちを近くで見守りたい!
また、人だけでなくペットの遺骨でもダイヤモンドは作れます
会社によって必要な遺骨の量や条件は違うので、自分の条件に応じてくれる会社を選びましょう
供養方法の多様化に対応
今はお墓に対する考え方も変わってきています
お墓は従来の、お寺にある墓地や霊園だけでなく、納骨堂や樹木葬、宇宙葬そして遺骨を家に置いておく手元供養まで様々です
ダイヤモンド葬は、この中の手元供養(自宅供養)の一種です
核家族化が進み
- お墓の継承者がいない
- お墓の維持・管理が大変
- お墓の費用負担を避けたい
と考える人も増えています
先祖代々のお墓がある場合でも居住地から遠く、維持・管理できずに手放す人もいます
墓じまいの場合でも、古い先祖の遺骨もダイヤモンドにすることも可能です
全ての遺骨を余すことなく使用してダイヤモンドを生成することもできるし、一部の遺骨・遺灰は自宅に残しておくこともできます
どちらにしても、お墓をもつ必要性はなくなりますね
お墓をもたない選択をした方は、ダイヤモンド葬や散骨も検討してみてください
おわりに
私は父の死を経験してから、終活を始めました
終活を行う中で、一般的な葬儀以外にたくさんの選択肢があることを知りました
ダイヤモンド葬、死んだあとも輝けてずっと身近にいれるなんて素敵ですよね
さっそく自分のエンディングノートの葬儀の欄に希望として書き入れます!
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